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初版公開:2013年1月4日


【010】竜神の花嫁   作:キトラ

☆=3  ☆☆=12  ☆☆☆=5  合計=42

☆☆☆(フミん)
☆☆(逆行)
☆☆(砂糖水)
☆☆☆(乃響じゅん。)
(SB)
☆☆(ラクダ)
☆☆(<無記名>


なんということでしょう(ホウエン人の野蛮さに対して)。
文章が綺麗。族長しっかりしろ。
オスレムとアスリナが死んでしまってからレックウザがやって来たというのが何ともやるせない。仕方のないことなのかもしれませんが。
それでも二人は幸せになったのだからこれはハッピーエンドであると信じたいです。
◆朱烏

☆☆
 オチに感動しました。レックウザを信仰するラトゥヌ族という設定と、オスレムとアスリナの恋物語が土台となり、その上でしっかりと物語が進行していく素晴らしい構成だったと思います。途中、目を背けたくなるようなシーンもありましたが、それを差し引いてもストーリーは秀逸だったと思います。
 欲を言えば、もう少しアスリナの心情描写が欲しかったかなと思いました。
◆(無記名

☆☆
読んでいて、江戸から明治にかけての沖縄(琉球)と九州(薩摩藩)の関係を思い浮かべた。やり口はさらに前時代的な感じだけど。全体的にもかなりバランスが取れてて、すごい私の好み。
惜しいと思ったのは、最後がちょっと語らせすぎかなぁという点だ。多くは語らずに、二匹が互いに目配せしあってただ飛び立つだけで十分に余韻が残と思った。というかそういう余韻を味わいたかった。もちろんこれは私の好みではあるけども、語らないのもまた表現ではないだろうか。時には引き算が必要だと感じた。台詞で語らせずに仕草や描写で暗示する方法もあると思う。ポケモンは非言語で語らせたほうがより「らしさ」が出るのでは。
とまぁいろいろ文句もつけてますが、個人的にホウエン周辺のちっさい島は昔、内地から圧力だの、支配だの受けてたという妄想自体は持っており、来やがった!先にやられたー!うおおおっ!てなりました。
まあ、ようするに好きってことさッ!
◆No.017

☆☆
今はなきラトゥヌの昔話、いいですね。構成はデウス・エクス・マキナのようですが、物語の背景にある設定は緻密で、結末に至るまでの過程がしっかり描かれており、ご都合主義とは感じませんでした。『マレリアトナ』は造語でしょうか。流れるような響きが好きです。
◆イサリ

☆☆
 全体的に展開の速さは感じざるを得ないものの、面白いストーリーでした。描写も丁寧でよかったです。
 ただ、少しあっさりしすぎかな、というところも感じました。レックウザの登場シーンはもっとカタルシスを感じていい場面かな、と思います。
◆利根川 泰造

☆☆☆
昔話調の雰囲気に引き込まれました。
もうこれが本当の設定でいいんじゃないかと思えるほど、よく創り込まれていたと思います。
流れるように語られていて、印象に残った作品でした。
◆穂風奏

☆☆
 よくある神話っぽくていい。
 でも、最後のところでラティアスが感謝してて、正直どうなんだろうと思えてしまった。神様の助けが遅いとかはいいのですが、それを受けた人側が感謝するのは、正直もうすこし相手側にひどいことしてくれないと無理じゃないか。いや、生まれ変わらせてくれただけでもすごいいいといえば、そうなのだけど。
 助けてくれてありがとうって正直無理じゃないかなぁ。そのせいで結論が首をひねらるを得なかった。
 しかし、設定は登場人物の名前まで丁寧に作られていて、よかったです。
◆西条流月

☆☆☆
今企画で最も感銘を受けた作品。文句なしに☆3つにしようと決める事が出来た一品です。作者の方には有難う御座いました! 
 先ず、ストーリーが良い。ぶっちゃけ全然明るくなく、舞台設定も所々で「ん?」と思う様な部分はありましたが(繁栄地に近い島嶼地域で、本土よりも航海術が劣っているという例はそう多くはない等)、全編を通して心理描写や情景描写のバランスが取れており、幕間ごとに伝えたいテーマや描き出したいシーンがはっきりしていて、どれかの面で突出していた他の優秀作品と比べても、総合評価は頭一つ分ぐらい抜き出ています。
 個人的に短所と言うべき点は見出せませんでしたが、前述した些細な疑問点の他、読み終えた後に「これならもっと書けるんじゃね?」、と言う欲が感じられたのは明記しておきます。ちょっと諸手離しに賞賛するには破壊力が足りなかった。もっと、もっと突き抜いて俺を満足させるんだ!(笑)
 後関係ないし些か不謹慎ではありますが、いわば懲罰に当たる暴風と落雷のシーンで、土地の人達にも被害が出た辺り、『レックウザの雷だもんなぁ』と妙に納得してしまいました(苦笑) 雨だろうがなんだろうが、エアロックだと外れるもんなぁ。
◆クーウィ

☆☆
 言い伝えや民話のような作品が好きな私にはおいしくてたまらない一作でした。まずはごちそうさまです。
 ラトゥヌは少数民族で大多数とは異なる文化を持つ。となると当然どんな文化なのかが気になるわけですが、衣服、食事、歌や信仰など、民俗風習が多分に散りばめられていたのは、ラトゥヌという民族が紡ぐ物語を味わう上で大変な好材料でした。侵略する側される側、生々しいシーンも含めてまさしく「言い伝え」を読んだという気がします。なにより物語の舞台に「みなみのことう」を持ってきたのが「してやられたな!」という気分でしたね。
 せっかくここまでのものを書かれるので、同じ事柄でも別の単語で言い換えることを心がけるとなおよいかと思います。具体的には和語と漢語の使い分けですね。そう思った理由は「二人は確認しあうかのように見つめ合うと」という部分なのですが、「確認しあう」を「確かめあう」に変えるだけでもまたひとつ印象が変わってきそうです。
◆小樽ミオ

☆☆☆
まるで本当の神話のような話ですね。そして、ホウオウと三犬のような物語だとも感じました。ラティオスラティアスは兄妹のイメージが強かったので、二人がラティになった事にはラティの名前がが出てくるまで気が付きませんでした……良い意味で衝撃!
◆ミルメコレオ

☆☆
レックウザとラティに関する伝説と、九州から沖縄に対する進攻の歴史を、上手く噛み砕いて融合させた感じの作風で、血なまぐさいことや非道な行いも包み隠さずに書いておられて、それだけに引き込まれるような作品だったと思います。

舞いの描写や、風俗的な慣習などもありありと描かれておりますし、文化が消えるまでの過程を語るだけでは終わらない作品となっているのが面白いと思います。

ただ、私個人の見解として、歴史は歴史であって欲しいと言うのが一つの残念なところ。ラティはアニメでも数個体がいることは確認されておりますので、変にラティに姿を変えてしまった二人を活かしておいた設定にしておくよりも、その結末をぼかしておくほうが美しくまとまったような印象を受けます。
◆リング

☆☆
民話調と言うべきか、昔語風とするべきか、全体的にそんな言葉を使いたくなる雰囲気に包まれた作品でした。雰囲気作り、という点では非常によいと思います。カタカナことばも風情があっていい塩梅でした。文体も良い意味で平易で読みやすく、書き手の力量をそこはかとなく感じさせるものでした。ただ、全体を「昔話」或いは「伝承」のような形に綴じてしまったことで、最後に物語の聞き手である子供たちと共に読者も現実へと引き戻されてしまう感覚を受けたのは、ちょっとばかり惜しいと思いました。話として「その名前はいつの時代からか訛ってラティオス、ラティアスと呼ばれるようになっていった」で止めて完結させても良かったのではないかと、私は思います。
◆586

(作者票)
私、嘘つきました。
ダイゴ書かないと言っておきながら書きました。
最後に出てくる男の子、よくみると石だけ漢字になってたり、こころのしずくに反応したり、彼が小さい時でも石好きなように……すみません、普通気づきませんな!!
◆きとら