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初版公開:2013年1月3日


【006】岩の恩人   作:フミん

☆=7  ☆☆=10  ☆☆☆=3  合計=36

(逆行)
☆☆(乃響じゅん。)
☆☆(ラクダ)
☆☆(<無記名>

☆☆
「伝統なんてそんなものよ」「そんなもの、か」
ここが好きです。
物悲しくも、前向き。そんな話。
◆朱烏

☆☆
 冒頭の部分から驚かされ続けた作品です。作品全体としてよくまとまっており、読者を物語へ引きずり込む魅力がありました。
 冒頭のシーンでは両親にやるせない気持ちを抱き、ガントルと祖父マサルのお話には感動させられ、シズクとヒロシの会話では思わず笑みがこぼれる。そんな喜怒哀楽の詰まった作品だと思います。ただ、シズクがいきなりしゃべり出したことに違和感を覚えました。物語の都合上、ポケモンが喋らないと話が進行しないのはわかりますが、なにか説明が欲しいなと思いました。面白いお話をありがとうございました。
◆(無記名


ご神体になってる岩とか巨石信仰はあるし、いい題材の取り方だなと思った。また遺言のくだりなどはつかみとしては非常によかった。ただ、つかみに比べると全体のインパクトは薄いかなという気はした。今のストーリーが悪いわけではないのだが、遺産を貰うかわりに難題をひっかけられるみたいな仕掛けがあってそれをタロウと絡められるとさらによかったのでは。
また好みの問題ではあるものの、ポケモンが語るか否かの問題で評価が分かれるような気がした。
◆No.017


 親族を一方的に非難することは、天に唾するようで、申し訳ないのですが私はあまり好きではありませんでした。配偶者や子供のことなら尚更です。そのことが、序盤の感情移入の妨げになってしまったようでした。
 主人公が祖父のふりをしてギガイアスと語り合うシーンは好きでした。
◆イサリ

☆☆
悪いわけじゃないんですけど、やっぱり普通のポケモンが喋ると違和感が…。この辺は完全に好みです。ごめんなさい。ここまでポケモンが人間に近いと、ポケモンと人間の関係ってどうなっているんでしょうね。ちょっと気になります。そう考えると面白い世界だなーと思いました。あれ?もしかしてシズクは普通のポケモンじゃない、のかな。あれ?
◆砂糖水

☆☆☆
 すごい! 悔しいくらいにすごいです。
 まず、しっかりと読者を引き込む冒頭の遺言書。上手い。丁寧に、露骨にならないように注意して主人公の人柄を描いています。特に最初の一行とその次の段落。
思わず舌を巻きました。この冒頭部分は、相当推敲されたんでしょうね。他の部分に見られるミスも全くないです。
 三人称の語り口も見事です。淡々と語られていて、普通なら読んでいて不愉快になるようなシーンでも、この語り口のおかげであまり不快感を感じませんでした。かと言って、何も感じないわけではないですし。
 そして、登場するポケモンの存在感。何よりもこれですね。特にニドクインのシズク。ポケモンと人間が会話をすると言う、普通ならばあまりにも特別なことが当たり前のことのように書かれています。そのインパクト、面白さ。正直言って、最高です。これは上述した「淡々とした語り口」の賜物でもありますね。
 脱字と思しき部分や段落の一字下げがされていない部分など、気になる点は山ほどありました。それでも、この作品はとても面白かったです。
 本当に、最高の作品でした。
◆利根川 泰造

☆☆☆
シズクのキャラに魅かれました。こういう彼女みたいなポケモンもありですね。
背景も丁寧に描かれていて、すんなりと話の中に入り込むことが出来ました。
あと、ポケモンのいる生活――ポケライフにもぴったりだな、と思いました
◆穂風奏

☆☆
 ギガイアスの信仰の様子や内面はうまく書けていたように感じた。おじいさんとギガイアスの関係はいいなぁと素直に思えました。もう、なんというかおじいさんを死んでることを悟るのとか、じわりときました。
 ただ、遺産の設定が、いらないなぁとおもいました。
 主人公が周りを信じられなくなった要因として機能しているし、神社を訪ねるわかりやすいものにはなっているけれど、もっとあっさり流してよかったかなぁと。特に本筋に関係していないところでもあるし。あと、両親はもっと懐柔させようと動いてもよかったのでは?
 あときわめて個人的なことですが、女の巫女さんが見たかったとです。
◆西条流月


 独特の世界観を持った作品。ポケモンが人語を喋るのには抵抗を覚える方もいるとは思いますが、自分は嫌いじゃないですね(笑) 幼馴染と言う間柄も引かれるものがありました。
 内容については一長一短。物語自体は目新しいものではありませんでしたが、要所要所に描写の妙や良い着想がちりばめられていて、感嘆させられる事も少なくありませんでした。神社に生きたポケモンを祀っていると言うアイデアは特に良かったです!
 翻って一番残念だったのは、ストーリーにちぐはぐ感が目立った事。遺産相続から祖父の恩人との対面を経て、日常へと回帰する。それ自体はまぁ整合性が取れてはいるのですが、話の規模が大きい割に盛り込まれた内容が断片的で、終わった後も消化不良感がとても強かった(汗) あんまり横道にそれてグダグダになるのも考えものですが、『周囲の人との関係を大事にしたい』という結論を出すなら、もう少しコンパクトにまとめる事も出来たかなぁと。
 ……とは言っても、主人公がまだ若いのでこの程度で片付けるのもありっちゃありなのだろうか?
◆クーウィ

☆☆
タイトルを見て、恩人は岩みたいな頑固親父? それとも岩みたいな頑固親父の恩人? と思ったら「恩人が岩」という衝撃の展開でした。やられた(笑)
家族が遺産目当てに骨肉の争いを繰り広げる、というのはわりとベタな展開ですが、これをポケモン小説コンテストの作品の冒頭に遺言状という形で持ってきた点には大きなインパクトがありました。よい意味で異色の作品として印象深く残っています。そして遺産を相続した主人公も「金の魔力を実感」するなど、決して完全に善良な人間としては描かれていないのも人間臭くて好きですね。
ポケモンとごくふつうに会話できるのは唐突に思いはしましたが、致命的とは思いませんでした。「この世界ではポケモンと言葉を交わせる」という背景を描写してからシズクを出せばより自然だったかもしれません。
最後に、マサルのふりをしたヒロシも、それに気付かないふりをしたタロウも、なんだかあったかかった。好きです。
◆小樽ミオ

☆☆
シズクちゃんとヒロシの関係性があったかいですね。絵に描いたようなヒドイ家族と暮らしてきたヒロシにも、心の家族と言える存在がいた事が救いだと感じました。
◆ミルメコレオ


ニドクインのシズクちゃんは擬人化されてるんでしょうか? ポケモンが言葉を話しているあたり、きっとそうなのでしょう。これは個人の趣味の問題であり、作品の良しあしとは関係ないとは思いつつも、ちょっと違和感が。
何に違和感を覚えたかというと、単に擬人化したというだけでなく、リングマが凶暴なことですね。ポケモンが擬人化されているとしたら、きっとリングマも人間の言葉を話すはずです。そんなリングマがカメラにびっくりして落ちていくものなのでしょうか。何となく、動物としてのポケモンと擬人化されたポケモンがごっちゃになってしまったような気がします。私が擬人化に慣れていないというだけなのかもしれませんが。

文章は普通にサクサク読めます。お題の消化度はやや微妙。時間だとは思いますが。
さりげなく遺言状が本物っぽくてよかったです。ただし、序盤のリアルさの後、続きのストーリーのふくらみがややいまいちな気がします。
いや、私も全然人のこと言えないんですけどね。
◆SB

☆☆
冒頭から酷い家族でした(笑)
その分主人公の純粋さが引き立ち、またその後の物語でもその純粋さが発揮されていたのが良かったと思います。

さて、タイトルにもある岩の恩人ですが、どうにもポケモンらしさが少ないように思えました。と、いうのもギガイアスはあまり活発に動くようなポケモンではないと思われますが、それにしたって1人で何年も一室から出ないのには(ギガイアスの雪に関する発言から推測)さすがに無理があるように思えました。
動物園の動物も、確かに狭い場所に閉じ込められておりますが、このお話では相手はポケモン。その上知識も人間と会話できる程度にはある事を考えると、その状況に甘んじているにはどうにも無理が生じると思います。もちろん、ダンゴロ系統は洞窟に住むポケモン。暗く狭い場所で一生を過ごすことには慣れっこなのかもしれませんが、好んであの場所を動かない理由に何か一押しが欲しいかったと思います。

しかしながら、神社などに実際にポケモンがご神体として祭られていると言う発想は面白いものですね。腐りにくそうなポケモンもいることでしょうし、そういったポケモンのミイラなどが整然と祭られている神社がありそうとか、そんな世界観の広がりを感じさせてくれる作品でした。

また、もう一つ残念な内容として、ニドクインが喋ってしまうことに違和感が。神獣レベルの特異な個体が喋るならばともかくとして、一般のポケモンが喋ってしまうようになると、人間世界が軽く崩壊するレベルで文化にも変化が訪れてしまうと思います。次の作品が正にそんな感じというかなんというか。
ですので、色んな仕草を描くことで感覚的に訴える描写の腕を見せることが、作者さんの腕の見せ所だと思いました。
◆リング


最初の遺産相続にかかるドタバタ(と言ってしまうとコメディ調ですが、あれはドタバタ劇でしょう)はいかにも「ありそう」で面白く、この部分は先の期待もあってすっと読めました。惜しむらくは、最初の段階である程度予想のついていた通りの話運びで最後まで進んでいき、格段に驚くポイントが見当たらなかった点でしょうか。ちょっと疑問だったのが、ニドクインのシズクの立ち位置。彼女は何故ニドクインだったのでしょうか。作中の扱いを見る限り、身体的な特徴を除いてはほぼ完全に人間と置き換えられるように思いました。何がしかの意図があったのだろうと思いますが、シズクを人間でなくニドクインとした理由がもっと明確であればなお良いと感じました。
◆586

☆☆☆
ガントルを通しての故人との思い出と、愛が感じられてとてもよかったと思います。
ポケモンが話す展開は結構好きです。
遺言の話から始まり、ゆっくりと感じさせる家族愛もそうですが、祖父の元にいくようにきえたガントルもよい話でした。ムウコンの中で一番好きです。
◆きとら

(作者票)
コンテストの作品は、皆さん真剣に読んでくれると分かっていたので、安心して楽しみながら書けました。
しかし、後半の内容で疑問点が多く残ってしまったのは、悪い点だと思っています。後日冷静に見直して、頭を抱えました。酷いね。
僕が書くポケモン小説の場合、「ポケモンが人間の言葉を話しても全く問題ない」と考えて創作しています。どうやら知り合いの中にも首をひねった方がいたようですが、その点に関しては弁解させて下さい。他の欠点は全て僕の力不足です。精進します。
書いているうちに、この主人公とシズクのことが妙に気に入ってしまったので、後日改めてお話の編集、もしくは続編を生み出せたら良いと思う(といいつつ、蓋をしてしまいそうですが)。

この拙い作品を最後まで読んでくれた皆さんにお礼を申し上げます。
◆フミん